AKB止まらぬ卒業ラッシュはなぜ?解散危機のキーマンは柏木由紀?

AKB48と言えば、2005年にデビューした“会いに行けるアイドル”として大人気グループです。

「アイドル」を遠い存在ではなく、ファンがメンバーの成長過程を間近で見られるスタイルが、アイドルを身近な存在に感じられるとして、ファンの支持を得ています。「神7」「選抜総選挙」「じゃんけん大会」「握手会」など、新しい試みやムーブメントを次々に生み、国民的アイドルへと成長していきました。

ところが、最近AKB48を卒業するメンバーが続出しています。

前田敦子さん、大島優子さん、渡辺麻友さん、板野友美さん、小嶋陽菜さん、指原莉乃さんらを輩出し、国民的アイドルと呼ばれたグループが、大きな変革期を迎えているようです。

今年だけでも33人(2023年10月10日時点)が卒業を発表しています。

月平均3~4人がグループから離れている由々しき事態となっています。さらには解散の危機まで噂が出始めています。

そこで今回は卒業ラッシュが止まらないその背景を探ってみたいと思います。

スポンサーリンク

2023年に卒業を発表したAKBメンバー

結成18年目のAKB48は、今年に入り33人が卒業発表しました。

以下、卒業を発表した主なメンバーです。

あまりの数の多さに「解散危機!?」と危惧しているファンもいるようです。

2023年卒業発表メンバー卒業発表日卒業公演日卒業理由
永野恵2023/1/252023/3/22学業へ専念
濵咲友菜2023/2/42023/4/15女優業に挑戦
平野ひかる2023/2/132023/4/12自分のやりたいことに挑戦
藤園麗2023/3/62023/5/16様々な仕事に挑戦
清水麻璃亜2023/3/192023/8/1女優業に挑戦
石綿星南2023/4/202023/8/7
小林蘭2023/5/32023/5/21自分のやりたいことに挑戦
左伴彩佳2023/5/142023/5/14チーム8の活動休止、新たな道に挑戦
大森美優2023/5/262023/5/26次のステップに進むため
川原美咲2023/5/272023/8/1121歳になり外に飛び出そうと思ったため
中西智代梨2023/5/282023/8/28個人での場でも頑張っていけるようになるため
歌田初夏2023/6/52023/7/20新たな夢への挑戦(芸能界引退)
市川愛美2023/6/62023/8/31環境を変え、新しいことに挑戦
吉川七瀬2023/6/162023/8/24新たな自分の夢を叶えるため
高岡薫2023/6/202023/8/29他の道(俳優業)に挑戦
坂口渚沙2023/6/252023/7/31外の世界に出て自分の可能性を広げるため
北澤早紀2023/7/42023/9/5俳優業に挑戦
多田京加2023/7/112023/9/10環境を変えゼロからスタートするため
上見天乃2023/7/12未定広い世界の中で自分を進化させたい
奥原妃奈子2023/7/142023/9/8AKB48の枠から飛び出しさらに飛躍するため
髙橋彩香2023/7/142023/8/17
佐藤妃星2023/7/172023/9/17次の夢に進むため
吉田華恋2023/7/18未定
道枝咲2023/7/272023/9/14
茂木忍2023/8/15未定(2024年1月以降)
湯本亜美2023/8/192023/10/30(予定)チームKラストコンサートを終えて、アイドル人生をやり切ったと思えたため
山邊歩夢2023/8/222023/10/2
本田仁美2023/8/302024/1/28様々なことに挑戦し自分の可能性を確かめたい
大西桃香2023/10/102023/2予定
この投稿をInstagramで見る

AKB48(@akb48)がシェアした投稿

なぜ卒業ラッシュが続くのか?理由3選

かつて恋愛のスキャンダル発覚などで卒業が続いたことはありましたが、今年は様相が違うようです。

なぜ卒業ラッシュが続くのか…その理由を3つ挙げます。

「チーム8」のチーム活動休止

2023年4月末に全国47都道府県の代表で構成される「チーム8」がチームとしての活動を休止。その出身メンバーの卒業発表も目立っており、2023年に卒業発表(活動辞退含む)したAKB48グループのメンバー65人のうち、「チーム8」のメンバーは16人にもあがります。

1. 大西桃香 (チーム8) 
2. 本田仁美 (チーム8) 
3. 吉田華恋 (チーム8) 
4. 髙橋彩香 (チーム8) 
5. 奥原妃奈子 (チーム8) 
6. 上見天乃 (チーム8) 
7. 坂口渚沙 (チーム8) 
8. 高岡薫 (チーム8) 
9. 吉川七瀬 (チーム8) 
10.歌田初夏 (チーム8) 
11.川原美咲 (チーム8) 
12.左伴彩佳 (チーム8) 
13.清水麻璃亜 (チーム8) 
14.藤園麗 (チーム8) 
15.平野ひかる (チーム8) 
16.濵咲友菜 (チーム8)

「チーム8」は地方組も多く、上京する際などに負担も大きくのしかかります。大所帯グループは、ランニングコストも膨大です。

収益改善を図るため、握手会やグッズの売り上げが見込めるメンバーを中心に在籍させ、人気グループといえども裏では経費削減の努力を図っているようです。

「チーム制」「キャプテン制」を休止

グループ初期から続いてきた代名詞とも言え「チーム制」「キャプテン制」を休止しました。

2006年に2期生が加入し、チームAとKによる「チーム制」がスタート。その後B、4、8と増えて最大5チームが生まれ、劇場公演やCD収録をチーム単位で行うこともありましたが、今年でチーム制度を休止することになりました。

チーム制度の見直しが卒業ラッシュの引き金になったことは明らかのようです。

AKBを長年見てきた出版関係者は以下のように見ています。

「大所帯のAKBにとってチームというのはメンバー間の結束や競争を生み出す場所でした。愛着のあるチームが無くなることで“ここで活動を区切りにしたい”と話すメンバーは少なくありませんでした」

「なかなか選抜入りできず、チーム公演が支えだったメンバーの中には、目標を見失った子もいたと聞いています」

スポニチ

正規メンバーと研究生の新体制移行

2023年4月29日に開催された「AKB48春コンサート2023~好きだ!と叫ぼう~」において、現行のチーム制・キャプテン制を休止し、正規メンバーと研究生の新体制に移行することが発表されたのですが、突然の発表に混乱し号泣するメンバーもいるほどでした。

それに加え、日本テレビで放送される番組連動型アイドルグループオーディションプロジェクト『OUT OF 48』の影響も少なからずあるのではないかと思います。

『OUT OF 48』はAKB48の現役メンバーと一般応募者が同じ選考条件でオーディションを実施する番組です。オーディションの合格者7名により「UNLAME」(アンレイム)が結成されましたが、少なくとも再びオーディションの場に立たなくてはいけないということに対して、快く思わないメンバーがいたかもしれません。

更にはこれが引き金となり“卒業”という決断に至ったメンバーもいるかもしれません。

なぜAKBは“オワコン”と言われるのか?その理由4選

結成から18年、グループの現在地をまとめてみます。

2023年10月2日現在、公式サイトに掲載されている所属人数は62人(正規メンバー、研究生含む)です。かつて、47人が在籍した「チーム8」があったころには100人を超える大規模だったこともあり、ほぼ半減することになります。

AKB48のグループとしての最盛期といえば2010年代。NHK紅白歌合戦には09年の初出場から20年に落選するまで11年連続で出場。2009年の「第1回総選挙」はTVで生中継され、2010年代半ばまでは、毎年20%近い平均視聴率を叩き出していました。しかし、徐々に視聴率を下げ、2018年の「第10回総選挙」を最後に開催されていません。

10年以上も一線で活躍し続けてきたことは紛れもない事実です。アイドルでここまで長期に渡って人気を維持し続けてきたのは、きわめて異例なことです。

前田敦子さんと大島優子さんのライバル関係からの「前田コール」や、篠田麻里子さんの「つぶしに来て下さい」宣言、指原莉乃さんの3連覇など、数々のドラマを生んだ。

海外姉妹グループも参加した2018年の第10回は世界選抜総選挙と銘打たれましたが、これを最後にイベントの歴史に幕を閉じました。

「会いに行けるアイドル」の代名詞は、ファンの心を釣り上げる「釣り師」、係員によってメンバーとの握手をはがされる「はがし」、メンバーによる鈍い対応「塩対応」などの新たな言葉を生みました。

しかし、AKB48が「オワコン」と言われるようになってしまった理由とは一体何でしょうか?

では、その理由を4つ挙げてみます。

音楽ランキングのルール変更(オリコンランキング→ビルボードチャートへ)

握手券や総選挙の投票券が封入されて販売されたCDは、ファンの複数枚購入を常態化させ、オリコンランキングをハッキングしました。ファンたちは、彼女たちとコミュニケーションする機会(握手券)や応援(投票券)のためにCDを買っていたのです。

これがいわゆる“AKB商法”と呼ばれるものです。

AKB48が10年間、常にCDの売上ランキングのトップに君臨し続けた理由は、ファンたちの熱意だったのですね。

“AKB商法”は、言わば“人気錬金術”のシステムであったとも言えます。

風向きが変わったのは、音楽人気を計る基準が「オリコンランキング」から「ビルボードチャート」に変わったことでしょう。

これまでCD売上のみのランキングだったのに対し、ビルボードチャートはCD販売だけでなく、音源ダウンロード販売やストリーミングサービス、動画再生数など複合的な指標でチャートを構成します。

つまり、ビルボードチャートの移行は特典目当てにCDを購入したり、複数枚購入を促進させる“AKB商法”の抑制力となり、音楽が実質的にどのくらい聴かれた(再生された)かでチャートが判断されるようになりました。

坂道グループの台頭

主要メンバーの離脱で人気が減退するAKB48を横目に、人気が上がっていったのは乃木坂46や欅坂46などの坂道グループです。

元々はAKB48のライバルとして誕生した坂道グループでした。しかし違いも多くあった。各グループのコンセプトが明確であり、メンバー同士が総選挙などで競い合うことはなく、ルックスが重視されてメンバーは選ばれました。

AKB48グループが見せてきた競争よりも、よりシンプルなグループをファンは求めるようになっていきました。

この投稿をInstagramで見る

乃木坂46(@nogizaka46_tv)がシェアした投稿

NGT48の不祥事による信頼失墜

2019年1月に発覚したNGT48の不祥事により、“雑な運営”が明らかになりました。メンバーの1人がファンに襲われた事件は、運営会社の事後処理の不手際によって状況が悪化し、AKB48グループの社会的信頼を失墜させることになりました。

明るくて楽しいエンタテインメントを提供してきた日本のトップアイドルグループが、きわめて雑に運営されていることが明らかになってしまったのです。更にはメンバー同士の亀裂を大きくし、ファンたちの疑心暗鬼や離反を招く結果となってしまいました。

新型コロナによる公演中止

新型コロナはAKB48だけではなく多くのアーティストに影響を及ぼしました。公演が次々に中止になり、無観客でのライブや配信ライブなど対面での活動が出来ない時期がありました。

思うような活動が出来ないことで、将来に不安を抱くメンバーも少なくはなかったことでしょう。

秋葉原の専用劇場「AKB48劇場」。出演人数はコロナ禍以降、16人から8人へと減らしていましたが、秋から16人での公演を再開させる予定です。

コロナ禍を境にオンラインの対面イベントなど、形を変えて続けられていたが、2023年10月から対面での握手会が再開されます。

約4年ぶりの復活ですね。

握手会は人気のバロメーターとなるだけにメンバーにとっては大きなモチベーションになり、グループ内での競争を促す良い刺激になるでしょう。

いよいよ「会いに行けるアイドル」の復活です。

AKB48解散の危機は?

グループの最古参である柏木由紀さんの存在感

AKB48の最古参は柏木由紀さんです。

2006年に3期生として加入してから17年、32歳にして現役を貫いています。グループのシンボル的存在だと思います。

もはやアイドルは「趣味」だそうです。

柏木由紀さんがアイドルを長く続けていられる理由は、「もともとは自分の夢を叶えるため」だったそうです。しかし、コンサートや握手会などでファンから「AKBがいるから頑張れます」などの言葉を直接聞いているうちに「誰かのためにアイドルを続ける楽しさ」を感じるようになったそうです。

今後については「シンプルに続けるということを頑張りたい」とコメントされています。

シンプルに1つのことをずっと続けることはとても大変です。若いメンバーだと14歳〜15歳など、20歳近く年齢の離れたメンバーと一緒に活動している柏木由紀さんのアイドルとしての努力は同性からしても尊敬します。

女性アイドルは“期限”とか“年齢”などを言われがちですが、グループでも、個人としてもずっとアイドルでいたいという目標持っているそうです。グループの最古参であり、グループの顔である柏木由紀さん。彼女の動向には常に注目が集まっていますが、まずは新体制を軌道に乗せることが急務となりそうですね。

前田敦子さんや大島優子さんが在籍していた黄金期には及ばないが、最近は〝光〟も見え始めています。

9月27日に発売された最新シングル「アイドルなんかじゃなかったら」は、初週36.8万枚を売り上げ、「オリコン週間シングルランキング」で初登場1位を獲得しました。シングル49作連続1位で、女性アーティスト歴代1位の自己記録を更新しました。

前作『どうしても君が好きだ』の初週を4万枚以上も上回った。コロナ禍で自粛していた握手会も約4年3ぶりに復活します昨年加入した17期生、今年加入した18期生はルックスやパフォーマンスなどポテンシャルの高さで注目されています。

今が踏ん張りどころ!ですね。

まとめ

今回は卒業ラッシュが止まらないAKB48の背景を探ってみました。

時代が巡るのは必然。栄枯盛衰は世の習いです。

2025年に結成20年を迎えます。今のAKB48はまさに過渡期、変革期にいると言えるでしょう。新たな“令和のアイドル戦国時代”がやってくるかも知れません。そして、AKB48もその闘いに参戦していることは間違いありません!新体制の下で生まれ変わるAKB48から目が離せませんね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。