ラピュタのムスカ大佐の声は寺田農だった!代表作なのにトラウマって本当?

2024年3月23日、映像、舞台、ナレーションなど長年にわたって活躍した演技派俳優である寺田農(てらだみのり)さんが肺がんで亡くなっていたことが分かりました。

享年81歳でした。

1961年にデビューして約300もの役を演じた寺田農さん。

寺田農さんと言えば、時代劇、ドラマ、舞台などで少し影のあるクセのある人物、悪役、チンピラと幅広い役を演じましたが、アニメの声優を務めたのはご存知でしょうか。

スタジオジブリ映画「天空の城ラピュタ」のムスカ大佐役の声を担当したのが寺田農さんなんです。

寺田農さんの代表作の1つでもある「天空の城ラピュタ」のムスカ大佐役ですが、実は本人は少しトラウマに感じる作品であったのです。

今回は、なぜ寺田農さんにとってムスカ大佐役がトラウマだったのかについて調べてみました。

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「天空の城ラピュタ」のムスカ大佐役を務める

『天空の城ラピュタ』は1986年8月2日に公開されました。

寺田農がムスカ役に抜擢された理由は?

数々のドラマや舞台で的確な芝居を見せてくれた一方、ジブリ作品『天空の城ラピュタ』でのムスカ大佐の声は今も伝説です。

では、一体どのように抜擢されたのでしょうか。

スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは、寺田農さんの「われら青春」(1962年‐1963年)のドラマを見て、寺田農さんの美声に注目したそうです。

それから20数年の時を経て、映画製作が決まり、ムスカの声の配役に寺田農さんを推薦しました。

収録期間はわずか2日間だった?!

寺田農さんは『天空の城ラピュタ』以前は外国映画の吹き替えを何度か経験していましたが、アニメの吹き替えは初めての経験でした。

吹き替えの経験が少なく不安もあった中で、収録期間はわずか2日間で、しかもその収録はひどい状態だったのです。

作品の後半の収録時は絵がまだ未完成だったため、“15秒でこのセリフを言って下さい”などと指示を受け、時計を見ながら声を吹き込んだそうです。

しかも!

寺田農さんと宮崎駿監督との間で演技の方向性でしばしば口論になったそうです。

Tomoちん
Tomoちん

最初のムスカの喋り方は若干棒読み気味であり、収録に苦労していたであろう様子が伺えます。

ハードな収録でトラウマになった

『天空の城ラピュタ』の映画は大ヒットしました。

しかも、公開から何十年経った今でも、テレビで再放送すれば視聴率15%を超える国民的なアニメ映画でもあります!

悪役ではありますが、どこか憎めないムスカ大佐。ムスカ大佐なくして、『天空の城ラピュタ』なしと言われる程、ムスカ大佐のキャラクターや数々の名言は愛されています。

ムスカ大佐役の声優として、寺田農さんは一躍有名になったと言ってもよいくらいです。

しかし、寺田農さんは吹き替えの演技について宮﨑駿監督と揉めたことで、トラウマとなってしまいました。

公開後もまったく『ラピュタ』を観ることは無かったそうです。

他にも

  • 娘さんからDVDを借りて見るまで、一切『ラピュタ』を見ていなかった
  • ベントに出演したり、ファンや同業者から台詞を求められても、劇中で自身が誰を演じたの覚えていなかった
  • ムスカ大佐の台詞を全く覚えていなかった
  • 「そのキャラクターはどんな台詞があるんだい?」と相手に訊き返した
  • 出演した時の演技感覚をすっかり忘れており、台詞を言っても「似ていない」と言われてしまう
Tomoちん
Tomoちん

自分が演じたキャラクターを覚えていないなんて…よほどトラウマだったのでしょうね。

ただし、ファンからのサービスに応えられなかったことで、改めて『ラピュタ』を視聴したそうです。以降はしっかりとムスカのセリフを覚えて、ファンサービスに応じられるようになったそうです。

上記の苦い経験から「アニメは本業声優がすべき」との結論に至り、アニメ作品には『ラピュタ』に出演後には4作品しか出演していません。

その後、トラウマは克服したようですが、それでも「アフレコには苦手意識がある」と語る寺田農さんです。

ムスカ大佐とはどんなキャラクター?

ムスカ大佐は、飛行石を探索する任務を背負った特務機関の所属で階級は大佐。

天空の城ラピュタ』に登場する悪役です。

実は… 本名はロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ!

 作中のヒロインのラピュタを継承するシータと同様、ラピュタ王家の末裔でした。

28歳の年齢で大佐となり、異例の昇進を遂げた人物でもあります。

普通は狂気じみていると感じられるロボット兵と対峙しても、冷静かつ的確な判断を下していることから、かなり有能な人物だと推測されています。

基本的にジブリ作品の悪役は、根っからの悪党というよりは、どこか憎めなかったり、対立する勢力の間で苦悩し、揺れ動く人間味ある描写もあるのが特徴です。

しかしムスカ大佐は、そのジブリ作品の悪役のイメージを覆しており、珍しく最後まで冷酷非情なキャラクターとして描かれました。

ムスカ大佐の数多くの名言も有名ですね。

まとめ

スタジオジブリ映画「天空の城ラピュタ」のムスカ大佐役の声を担当した寺田農さん。

寺田農さんの代表作の1つでもある「天空の城ラピュタ」のムスカ大佐役ですが、実は本人は少しトラウマに感じる作品でもあったのです。

その理由は、短い収録でハードであったことと、演技の方向性を巡って宮崎駿監督と口論したことが原因でした。しかし、その後、トラウマは克服されたようです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!