米の値段が高い本当の理由 はJAの中抜きが原因?農家の告発をわかりやすく解説

最近、米の値上げが消費者にとって大きな問題となっています。

たくさんの食料品が値上がる中でも、日本人の主食でもある米が値上がるのは家計に大打撃です。

この米の値上がりの原因として農業協同組合(JA)の「中抜き」が指摘され、SNSでは農家からの告発も多く見られています。

この「中抜き」とは一体何を指すのでしょうか?

また、本当に米価高騰の理由なのでしょうか?

本記事では、農家の告発内容やJAの仕組み、そして今後の米価動向についてわかりやすく解説していきたいと思います。

農業協同組合(JA)の中抜きとは?

農業協同組合(JA)は、農家が生産した米を集め、流通業者や消費者へ供給する役割を果たしています。

しかし、多くの農家は

「JAが高い手数料を取り、利益が農家に十分還元されない」

例えば、ある農家は

「10kgあたり2,273円で米を売ったが、最終的に手元に残るのはごくわずかだった」

と告発しています​。

JAの収益構造では、販売した米の金額から手数料を差し引く仕組みがあるため、農家の収入が大幅に減少するケースが少なくありません。

Tomoちん
Tomoちん

これが、農家から「中抜き」と批判される理由です​​

米価高騰の背景とは

日テレNEWS

2024年から2025年にかけて米価が高騰している背景には、以下の要因があります。

NHK
米価高騰の理由

​①需要の増加:コロナ禍以降、外食産業の回復や輸出需要が増加
供給不足高温被害や天候不順で収穫量が減少し、一部地域では流通量が制限
円安の影響:輸入食品の価格高騰により、国内産米の需要が高まる

これらの要因が重なり、消費者の負担が増大しています。

一方で、JAの仕組みが供給の円滑化を妨げているとの批判もあります​​。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

令和6年産入り 生活応援米 送料無料
価格:3,400円~(税込、送料無料) (2025/1/26時点)


農家からの告発−JAへの賛否両論

農家たちは、JAを通じた販売が「収益を圧迫している」と訴えています。

先程も紹介しましたが、一例としてぽつんとファームさんはYouTubeの中で以下のように訴えています。

「令和5年産の米を26.7トン出荷した農家が、収益としてわずか67万円しか得られなかった」

Tomoちん
Tomoちん

この背景には、JAの手数料の高さや流通構造の複雑さが関係あるのでしょうか?

また、一方でJAには改善の余地があるものの、一部の誤解やデマに基づく否定は不当であり、JAの役割を正しく理解することが重要と訴える投稿もあります。

FF外より失礼します。 以前JAで営農指導員をしておりました。 一般的に単協の販売手数料率は3%前後が多いです。全農も同程度。あわせて6~8%位だと思います。 1億円の販売高の品目でもJAの儲けは300万程度。担当者1人の人件費すら出せません。基本的に指導販売事業は赤字です。 儲かってないです。

X(HBGK)
Tomoちん
Tomoちん

農家のJAに対しての意見が二極化しています

消費者としては、私たちの「食」を司る農家の方が妥当な対価をもらい、長く安定的に農業を続けることが出来る環境や体制であってほしいと願うばかりです。

スポンサーリンク

JAの「個選」と「共選」ってなに?

調べていくと、JA(農業協同組合)における「個選」「共選」が、農家の方が払う手数料に直結し収入に影響がありそうです。

そこで、「個選」「共選」にそれぞれの特徴をついてまとめました。

項目個選共選
選別場所各農家JAの施設
負担農家が負担JAが負担
標準化農家ごとに異なる統一基準
コスト設備・人件費を農家が負担JA手数料がかかる
出荷自由度農家の裁量が大きいJAの規格に合わせる

個選(個別選別)

農家自身が収穫した農産物を選別し、出荷規格を満たすように整える方式。

特徴

  • 作業場所: 各農家が自分の施設や自宅で行う。
  • コスト: 農家が選別作業を行うため、専用設備や労働力が必要。
  • 自由度: 出荷量や質を農家が自主的に管理できる。
  • メリット:
    • 農家が選別基準を直接管理できる。
    • 自分の判断で品質や規格にこだわった出荷が可能。
  • デメリット:
    • 作業負担が大きい。
    • 選別ミスのリスクが農家自身にかかる。

共選(共同選別)

収穫した農産物をJAの集荷場に持ち込み、JAが選別作業を行う方式。

特徴

  • 作業場所: JAの選別施設や集荷場。
  • コスト: JAが設備を整え、選別作業を請け負うため農家の負担が軽減。
  • 標準化: 選別基準が統一され、産地全体の品質維持につながる。
  • メリット:
    • 選別作業の負担が軽減される。
    • ブランドイメージを守りやすい。
  • デメリット:
    • 選別基準が厳しい場合があり、規格外として弾かれる可能性がある。
    • 個別の意向が反映しにくい。

どちらを選ぶべき

どちらにも一長一短があります。

個選は、自主性や独自の品質基準を重視する農家に適しています。

共選は、作業負担を軽減したい場合や、地域ブランドを守りたい場合に向いています。

Tomoちん
Tomoちん

この選択は農家の規模や経営方針、地域のJAのサポート体制に左右されます。

今後の対策と改善案

農家と消費者の双方が利益を得るためには、以下のような取り組みが求められます。

求められる対策

直接販売の促進:農家がオンラインや道の駅を通じて直接販売する仕組みを整える
JAの透明性向上:JAが手数料の内訳を明確にし、農家への還元率を改善する
流通の多様化:民間業者や新興企業が流通を担うことで、競争力を高める​​

まとめ

米価の高騰には、気候変動や国際情勢、そしてJAの仕組みが複雑に絡み合っています。

一方向の情報だけを鵜呑みにすのではなく、今、起こっている問題や現状を中立公正な視点で捉えてみることも、我々消費者にとって大事なことだと思います。

私たちの食卓を支えてくれる農家の方の精神的、金銭的な負担が少しでも軽減するために、国や自治体のサポートはもちろんですが、一人ひとりが持続可能な農業の在り方を考える必要がありそうです。