男子バレーがなぜ今、人気?人気復活と強さのキーマン3人を紹介!

2023年はスポーツの主要国際大会が盛んに行われます。3月のWBCを始めとして、バスケットボール、ラグビー、サッカー女子、バレーボールなどスポーツの国際大会が次々に行われるアクティブな1年となりそうです。

新型コロナウイルスの影響で延期となっていた大会やイベントが続々と開催されるなど、スポーツファンにとっては、待ちに待った1年となります。

現在、開催中のバレーボールのワールドカップ。世界最強を決める今夏のネーションズリーグでは主要な国際大会で実に46年ぶりの表彰台となる銅メダルを獲得。

強いニッポン男子バレーの復活です!

プレーはもちろんのこと、最近はビジュアルでも注目されているバレー選手です。

そこで今回は男子バレーがなぜ今、人気なのか?人気復活と強さの理由とキーマンとなる3人の選手について調べてみました。

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男子バレー人気と強さの秘訣であるキーマン3人とは?

1人目:リベロの山本智大選手

《プロフィール》
生年月日:1994年11月5日(28歳)
出身地:北海道江別市生
身長:171cm
体重:69kg
小学1年から競技を始め、恵庭中では、父・忠文監督の指導を受ける。
とわの森三愛高では1年生、3年生の時に春高バレー出場。
日体大からFC東京入りし、社会人1年目の2017年ユニバーシアード銅メダル。
2019年から代表に定着し、同年W杯4位。
2021年東京五輪7位。

ディフェンスの要であるリベロの山本智大選手。

山本智大選手のディグ(スパイクのレシーブ)は素晴らしく、“ディグの神”とも称されています。

時速100㌔以上にもなる男子のスパイクの速さは反射神経だけで拾えるものではないので、山本智大選手の読みはもちろんのこと、アナリストの分析による戦術的な戦略やブロックとの連携が上手く機能していると思います。

世界の選手と比べた時、体格の大きさ、身長(高さ)、大型化に対抗できず、日本のお家芸であるスピードやコンビ力でも違いを生み出せなくなると、攻撃的技術よりサーブやデフェンスをより極めていくことは必然のことです。

日本は元々、ディグに強い選手がいました。レギュラー争いやポジショニングが激しい中、ただ技術的に上手いだけではなく、指示力があってムードメーカーになれるのが山本智大選手なんです。

チームの空気をガラッと変える力、大切ですね!

高速スパイクを拾って、ラリーを続ける面白さにハマらせてくれる立役者はリベロであると山本智大選手のおかげで知れました。バレーボールの真の面白さはここにあると言っても過言ではありません。

誰もが取れないと思う強力な殺人スパイクを拾ってしまう爽快感、もう届かないと思うボールを最後まで追ってトスを繋いだ時の痺れる快感、どれも試合にスパイスを与えれくれる瞬間です!

2人目:石川祐希選手

《プロフィール》
生年月日:1995年12月11日(27歳)
出身地:愛知県岡崎市
身長:192cm
体重:84kg
所属:パワーバレー・ミラノ
背番号:14
愛称:ユウキ
ポジション:OH
スパイク:351cm
ブロック:330cm

小学校4年生よりバレーボールを始めた。
星城高等学校に進学。
2012年、2013年の2年連続高校三冠。
2014年4月
中央大学法学部政治学科に進学。
全日本代表候補入りを果たす。
2014年6月 
東京オリンピックに向けた強化指定選手に選出。
2014年9月
アジア大会(韓国仁川)に出場し、シニア代表デビュー。
2014年8月25日
イタリアのクラブセリエAのパッラヴォーロ・モデナが2014/15シーズン契約すると発表。契約期間は1年間で、3か月間留学した。
2016年7月8日
イタリアバレーボールリーグセリアA1のトップ・バレーへの短期派遣を発表。
2021年4月
全日本代表の主将に就任。

言わずと知れたチームのキャプテンであり、不動のエースである石川祐希選手です。

中央大学に在籍しながらイタリアのプロリーグに渡って以来、『世界で通用する選手になる』と心に決めて、本当にやり遂げた石川祐希選手の有言実行力は目を見張るものがあります。

サッカーや野球の世界では海外リーグで活躍する選手が多くいましたが、当時バレーボールではあまり前例がなく、正直…最初は通用しないだろうと懐疑的な意見もありました。

しかし、石川祐希選手の決意の固さ、意識の高さはそんなものには揺るがず、諦めずに信念を貫いたのは本当に素晴らしいです。

2021年には日本代表のキャプテンにも選ばれ、今やバレーボール界を牽引している選手の1人です。

石川祐希選手がサーブ、スパイク、ブロックを決めるとグッと勝利に近付く確信になり、チームの空気感や試合の流れそのものを変える影響力がある選手だと思います。

3人目:高橋藍選手

《プロフィール》
生年月日:2001年9月2日(22歳)
出身地:京都府京都市
身長:188cm
体重:83kg
所属:ヴェロ・バレー・モンツァ
背番号:12
ポジション:OH

2020年4月
日本体育大学に進学。
全日本インカレではチームを準優勝に導く。
2021年
日本代表登録メンバーに選出
2021年
東京オリンピックに出場。
イタリア・セリエAのパッラヴォーロ・パドヴァに2021-22シーズン終了までの期限付きで入団。2022-23シーズンも契約を更新。
2023年6月
イタリア・セリエAのヴェロ・バレー・モンツァとの契約発表。

今、超絶ブレイクしているのが、髙橋藍選手でしょう。

攻守共に安定感あるプレーで、新世代のエースと称されています。

プレー以外でも、“イケメン”ぶりが注目されと女性からの人気が高いですよね。新星のごとく活躍しインスタグラムのフォロワーも175万人超えと人気が爆燃中です。

元々、身長があまり大きくなくてリベロをやっていたたので(現在は188センチ!)、ディグやレセプションというディフェンス力に安定感があります。

現役の大学生でありながら、イタリアに渡ってプレーをするようになってから攻撃力が増しています。まさにオールラウンダーであり、今や頼りになる大事な存在になっています。特に角度のあるキレッキレのクロスには何度も驚かされました。

石川祐希選手の対角として守備の負担を担い、19歳という歴代最年少で東京五輪にも全試合先発出場を果たしました。ユースやジュニア世代での代表経験もなかった隠れた逸材があっという間にシンデレラストーリーを駆け上がり……一気に開花しました。

今後の男子バレーボール界を担っていく選手ですね!

男子バレーが強くなった理由3選

この30年間でも開催国だった2020東京五輪を除き、五輪本大会の出場切符の獲得すら2008年の北京のみという“冬の時代”だった男子バレーがいつの間にここまで強くなったのでしょうか?

理由①:曖昧ではなく明確な戦術を示す指揮官の存在

理由②:チームの柱であり強きリーダーの存在

理由③:目指すべき世界が明確になり、それぞれが何をすべきか役割が示され、遂行する力を持った選手たちが揃った

理由①:曖昧ではなく明確な戦術を示す指揮官の存在

中垣内祐一監督の時に、フィリップ・ブラン監督(現在)を説得してコーチとして招聘したことが、大きな転機になりました。

低迷期の日本を大エースとして引っ張った中垣内祐一さんが自身が監督として「育成の土壌」を作り、フランス代表監督など強豪国を指導した実績のあるフィリップ・ブラン監督に「育成の開拓」を託したことが下地となったわけです。

フィリップ・ブラン監督により日本代表が取り組む戦術がより明確になったことは、ブラン監督の指導の賜物と言えます。世界の高さを意識しすぎて独自の策に走るのではなく、世界のトップとどう戦っていくのかデータを分析し、戦術をより明確に示したことが強くなった要因の1つでしょう。

攻撃の戦術:
ミドルブロッカーの速攻とバックアタックを多用しながら、サイドからの攻撃を速くする。

守備の戦術:
相手の攻撃に対してもデータをもとに攻撃頻度の多いパターンにブロックを仕掛ける

理由②:チームの柱であり強きリーダーの存在

日本代表で絶対的な柱である石川祐希選手の存在です。

いち早くプロ選手として海外へ渡り、世界最高峰のイタリアで戦う日々。どんな相手にも力と力で渡り合う石川祐希選手の強さと意識の高さは、日本代表で戦う選手たちにとっては、世界最高峰で戦うにはこれだけのものが必要だと見せつけるこれ以上ないお手本でもあります。プロ選手として国内で戦う選手たちの意識は間違いなく引き上げられたと思います。

理由③:目指すべき世界が明確になり、それぞれが何をすべきか役割が示され、遂行する力を持った選手たちが揃った

選手たちの意識が日本だけでなく世界へと向けられたことも強さの要因でしょう。

長年、日本のバレーボール選手は高校や大学を卒業後、日本のVリーグでプレーするのが常とされてきました。現在も日本代表の大半がVリーグに所属する選手ではありますが、昨季はキャプテンの石川祐希選手と髙橋藍選手はイタリアで、宮浦健人選手はポーランドでプレーし、一昨年は西田有志選手がイタリア、関田誠大選手がポーランドへ渡りました。

日常的に強豪国のトッププレイヤーたちと練習することはとても刺激になり、気づきや学びも多いことでしょう。海外でプレーして得た経験や知識は、日本代表チームに合流した時に、還元することで全体的なレベルアップにも繋がるでしょう。

2023年「好きなスポーツ選手」の調査結果(データから見る人気度)

公益財団法人笹川スポーツ財団は2023年年6~7月に青少年(12~21歳)を対象に実施した「好きなスポーツ選手」の調査結果を公表しました。こちらの調査は2年毎に実施されます。

現在開催中のバレーボール男子W場している石川祐希選手が4位高橋藍選手が8位となり、共にトップ10入りを果たしました。

順位選手名%
1大谷 翔平22.3
2三苫 薫3.1
3リオネル メッシ2.7
4石川 祐希2.3
5羽生 結弦2.0
6八村 塁1.7
7桃田 賢斗1.6
8高橋 藍1.4
9イチロー1.3
10河村 勇輝1.1
丹羽 孝希1.1
ステファン カリー1.1
ラーズ ヌートバー1.1
資料:笹川スポーツ財団「12~21歳のスポーツライフ関する調査2023」

バレー人気を改めて証明しました。

石川祐希選手が昨年から上位に名を連ねていた中、今回の調査で高橋藍選手も初の上位入りを果たすなど、青少年の年代で関心が急速に高まっていることが伺えます。

上位の顔ぶれからも『世界に挑戦し活躍する選手』がランクインする傾向が続いていると言えます。

まとめ

男子バレーの人気が再燃している日本代表。

若手選手の台頭によるレベルの底上げもあり、個々がオールラウンダーとしてのレベルアップを図り、新しい男子バレーの未来を今まさに築き始めていると言えます。

スパイクの決定力、ブロック力、サーブ力、守備力、身長と、もう全部が揃ってないと、A代表として活躍できないというハイレベルな凌ぎ合いが既に起こっています。しかし、ハイレベルな戦いこそ、まさに明るい未来の始まりでもあります。

男子バレーが栄光から遠ざかった時代も終わりを迎え、再びこうしてスポットライトが当たる日が今、まさにやって来ようとしています。

W杯では格下のエジプトを相手に2対3で逆転負け。大会序盤につまずいてしまった格好ですが、チュニジア戦は今大会初のストレート勝利を収め、今日もトルコにもストレート勝利を収めました。残り3選も厳しい戦いになりそうですが、このままの勢いで突破して欲しいですね。

そのためにも、まずはパリ五輪の出場権を今大会で掴み取って欲しいです。

このチームで。
ここで、決める。

盛り上がること間違いなしの男子バレー、必見です!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!