パリ五輪の初日、柔道男子60キロ級準々決勝で、永山竜樹(ながやまりょうじゅ)選手が敗れました。
世界ランキング1位の永山竜樹選手は、昨年の世界王者フラン・ガルリゴス(スペイン)選手と対戦し、公式記録上では「片手締め」で敗れたことになっています。
永山竜樹選手は、この判定に「誤審」があったと抗議するも、結局、判定は覆ることはありませんでした。
一体、何が起こったのでしょうか。
五輪をはじめとする国際大会では、日本人選手が審判の判定に苦しみ、泣かされてきた過去があります。
なぜ、そうした事態が起きるのか、なぜ、柔道にこうした誤審が多く見られるのか、調べてみました。
そして、永山竜樹選手、銅メダルおめでとうございます!
永山竜樹の負けは誤審だった?
試合中盤に、絞め技を食らい、主審の「待て」の後も、フラン・ガルリゴス選手はそのまま数秒ほど絞め技を継続。
永山竜樹選手はここで力を抜きましたが、そのまま相手から締められ続けた結果、失神していたと判断され、一本負けと判定されました。
・「待て」の後も相手選手が絞め技を継続→相手側の反則?
・相手選手は「待て」が聞こえなかった?故意?
・会場の歓声で相手選手が「待て」が聞こえなかったのであれば、体に触れてでも止めるべきだったのでは
・「待て」中に技が決まり一本としたこと→待ての間にポイントはつかないはず
・判定に不満・抗議をするも覆らず
・ちゃんとビデオ判定をしたのか
・それによってどんな判断がされたのか透明性のある判定をして欲しい
「誤審」を疑い敗れたと思っていない永山竜樹選手は、両手を広げて抗議。
会場からブーイングを浴びながらも、畳を降りたら終わり…。
約3分間、降りずに粘りましたが、残念ながら判定が覆ることはありませんでした。
SNSの声まとめ
これはもうダメだろ相手選手と審判🙎俺は永山選手が負けたと思ってないからな🙎 #オリンピック2024 #柔道 #判定 #永山選手 pic.twitter.com/rtjB9PXpHW
— エッグタルト生地 (@bzkinokichi) July 27, 2024
国際柔道連盟試合審判規定にもちゃんと記載されてる
— ヤマモトユウヤ (@partyppppp) July 27, 2024
これは明らかに誤審だわ
永山選手のためにも、今後の柔道界のためにも日本チームはちゃんと抗議しないと!! pic.twitter.com/3SOEne02BT
畳を降りたら負けと分かってるので、永山選手はおりません。
— イカす!🇺🇦(応援しよう能登) (@COOLsuica) July 27, 2024
これはいくらなんでもひどい!#永山竜樹 #オリンピック #柔道 #JUDO pic.twitter.com/TecEpaiuJl
畳を降りたら負けと分かってるので、永山選手は畳を降りない
— じょーじ。 (@jyojijyoji555) July 27, 2024
待てかかってかなり時間経ってたからね…
審判おかしいよ?
これはいくらなんでもひどい!#永山竜樹 #オリンピック #柔道 #JUDO pic.twitter.com/VE4oNI9fI1
柔道の審判の件、反則負けにならずに永山選手の一本負けになるなら、篠原が誤審で銀メダルになったことで国際大会でビデオ判定入れたのに、これじゃなんにも意味ないな。 pic.twitter.com/Xhd0POqzIq
— お侍さん (@ZanEngineer) July 27, 2024
柔道の審判の件、反則負けにならずに永山選手の一本負けになるなら、篠原が誤審で銀メダルになったことで国際大会でビデオ判定入れたのに、これじゃなんにも意味ないな。 pic.twitter.com/Xhd0POqzIq
— お侍さん (@ZanEngineer) July 27, 2024
永山選手が敗退
— ブライアン (@bryanambitions) July 27, 2024
締め技され
待てがかかるが相手が締め続けたように見え
失神してしまい一本負けに
これは見てて不可解だな
なぜ柔道は誤審が多いのか?
日本古来の柔術をベースに誕生した柔道は、いまや「JUDO」として世界200以上の国・地域に競技登録者がいる国際メジャースポーツとなりました。
今や、フランスの柔道人口は約60万人と言われています。
柔道が世界に広く知られるようになったきっかけは、1964年の東京五輪で正式競技に採用されたことがきっかけです。
しかし、1968年のメキシコ五輪で「世界的に普及していない」という理由で柔道は正式競技から除外され、復活のためには「全世界で通用するルール」を整える必要がありました。
ルールの整備によってヨーロッパでの競技者が増え、1972年のミュンヘン五輪で正式競技に復帰しました。
世界に「JUDO」が広がっていく一方で、皮肉にも柔道の国際化によって誤審が急増してしまったのです。
【理由①】
柔道のレベルが高くない国では、選手として世界レベルで戦った経験がある審判員はほとんどいない
高度な駆け引きに目が慣れていないため、誤審を招く可能性がある
【理由②】
「ジュリー」と呼ばれる「審判員の監督者」の権限が拡大
主審や副審が判定のたびにジュリーの顔色を窺うことも発生
【理由③】
審判員が買収されたり、脅迫されたり(八百長)、人種差別による公平な審判を行わないことも考えられる
※③は柔道に限りません
柔道にビデオ判定が導入されたきっかけは“世紀の誤審”
柔道界で「ビデオ判定」の導入が進んだきっかけは、2000年シドニー五輪100キロ超級の決勝戦で篠原信一選手が銀メダルに泣いた「世紀の誤審」でした。
2000年9月22日、シドニー五輪100キロ超級の決勝戦。
日本代表の篠原信一選手の対戦相手は、世界選手権覇者で1996年アトランタ五輪王者のダビド・ドゥイエ(フランス)選手でした。
篠原信一選手はドゥイエ選手の内股に反応し、右脚を高く突き上げて内股すかしで切り返します。
ドゥイエ選手は背中から、篠原選手は横から落ちました。
篠原選手は一本勝ちを確信したが、判定は有効。
しかも!篠原選手ではなく、ドゥイエ選手のポイントとなりました。
最も近くにいた副審は篠原の一本勝ちを宣告しましたが、主審ともう1人の副審がドゥイエ選手の有効と判定。
そのポイントのまま試合は終了し、篠原選手は銀メダルに終わりました。
試合後、国際柔道連盟(IJF)は「両者とも技は完全ではなかった」として、ドゥイエ選手の有効の判定を誤審と認めたのです。しかし、篠原信一選手の勝利に覆ることはなく、「世紀の誤審」と言われました。
これがきっかけに「ビデオ判定」が導入されることになったのです。
まとめ
これまで多くの選手が「誤審」によって涙を流してきました。
またそれがなくなる“代償”として、審判の威厳はどんどん失われているという問題も起こっています。
柔道は4分間の試合時間がありますが、1本を取ったら即試合終了します。
オリンピックの4年間の練習量と努力が、試合開始数秒で終わってしまうことだってあります。
だからこそ、公平公正な審判を望みますよね。金メダルと銀メダルの差も大きいですが、個人的には銅メダルと4位の差はもっと大きいものに感じます。
誤審をなくすために導入されたビデオ判定も、しっかり運用されないと導入した意味がないように思います。
どうか、これ以上「誤審」が起きないような審判員のレベルの高さや誤審を防ぐ体制を望みます。
永山竜樹選手は3位決定戦に進みま、見事に銅メダルを獲得されましたね!
気持ちの切り替えは本当に大変だったと思います。おめでとうございます!!!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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