「ドラゴンボール」「Dr.スランプ」など数多くの人気作品で知られる漫画家の鳥山明さんが、3月1日に急性硬膜下血腫のため亡くなりました。
鳥山明さんの漫画やアニメで育った世代としては、本当に衝撃的でショッキングな訃報でした。
鳥山明さんの作品の人気を物語るように国内だけではなく、世界中で早すぎる死を悲しむ声が上がっています。
一方、鳥山明さんの年収や総資産が気になってしまった人も多いのではないでしょうか。
今回は鳥山明さんの逝去によって、遺族が受け取る遺産は一体いくらなのか。著作権や作品はどうなるのかについて調べてみました。
鳥山明 資産総額はいくら
鳥山明さんの資産総額について調査してみました。
まずは、鳥山明さんの作品からご紹介します。
【漫画】
・Dr.スランプ(1980年 – 1984年)全236話。単行本全18巻。
・ドラゴンボール(1984年- 1995年)全519話。単行本全42巻。
【アニメ】
・Dr.スランプ アラレちゃん(1981年‐1986年)
・1986年2月 『ドラゴンボール』放送開始
・1989年4月 『ドラゴンボールZ』放送開始
・1996年2月 『ドラゴンボールGT』放送開始
・2009年4月 『ドラゴンボール改』放送開始
・2015年7月 『ドラゴンボール超』放送開始
・2024年秋 『ドラゴンボールDAIMA』放送予定
高額納税者番付によると鳥山明さんの年収は以下の通りです。
2006年にはこの制度が廃止されてしまいましたが、1987年〜2005年の年収が判明しました。
・1987年〜2005年までの平均年収は7億865万円
鳥山明さんの代表作「ドラゴンボール」は1995年に漫画の連載は完結しますが、それ以降もアニメーションは継続しているため、2005年以降も平均年収は7億円以上はあると予想されます。
これだけの高収入を継続して、安定して保てることは並大抵のことではないです。日本のアニメーションの魅力を広く世界へ発信した「ドラゴンボール」の影響力は本当にすごいことであり、誇りですね!
・単行本の発行部数は完全版(2000万部)を含み国内で1億6000万部以上
・全世界累計で2億6000万部を記録
・漫画・アニメシリーズ・ゲーム作品などを含めた総売上は230億ドル(約2兆5000億円)※2019年時点
・「ドラゴンボール」アニメの原作使用料は約5,760万円
ドラゴンボールだけの印税収入は125億円以上!
ちなみに「Drスランプ」の印税収入は14億円だと言われています。「Drスランプアラレちゃん」のアニメの原作使用料は3,000万円程度だと言われています。
鳥山明さんの2005年以降の年収や印税について、はっきりとした数字はわかりませんが、映画化、アニメ化、カードゲーム、グッズ収益なども含めると、鳥山明さんの生涯収入は天文学的数字だったことは想像にかたくありません。
個人の収入に加えて、法人としての収入も加算されるので、資産総額は200億円以上は超えると予想されます。
この数字からしても、鳥山明さんの凄さを肌で感じることが出来ます。
海外の人に「日本と言えば何?」という質問に「ドラゴンボール!」と答えるくらいその知名度は世界中に浸透し、圧倒的な人気を誇る鳥山明作品。
日本の漫画文化を発展させてくれた功績はとても大きいと思います。
漫画家の年収と印税
すべての漫画家が高収入なのかと言うと…決してそんなことはありません。
漫画家の年収はどれくらい?
漫画家の平均年収は406万円と言われています。
ただし年収0円〜数億円と、人によってかなり差があります。
漫画家の年収に大きく個人差があるのは、漫画家のキャリアや作品の人気に左右されるからです。
人気漫画家の推定年収はどのくらい?
では、人気の漫画家がどのくらい稼いでいるのか代表作品と共に推定年収(2021年)を見ていきたいと思います。
- 尾田栄一郎 :推定年収31億円 「ONE PIECE」
- 鳥山明 :推定年収14億8000万円「ドラゴンボール」
- 高橋和希:推定年収6億円 「遊☆戯☆王」
- 吾峠呼世晴:推定年収5億円「鬼滅の刃」
- 藤子・F・不二雄:推定年収4億6000万円「ドラえもん」
誰もがその名前を知っている漫画家で、誰もが見たことがある作品を代表作に持つ漫画家は、年収が数億円にも上るのですね
漫画家の原稿料と年収
原稿料を受け取ると初めて“漫画家”と名乗れます。
原稿料は1ページ当たりの金額が決まっており、何ページ描いたかで受け取る額が変わってきます。
連載を持っていなかったり、無名の漫画家、いわゆる「売れていない」漫画家の原稿料は1ページあたり4000円~7000円前後が目安です。
しかし、人気漫画家であれば1ページあたり2万円~3万5000円前後になり、一気に単価がアップします。
例:週刊連載している漫画家が1週間に20ページを描く場合の原稿料 |
1週刊の原稿料:20枚×2.5万円=50万円 |
1ヶ月(4週間分)の原稿料:50万円×4=200万円 |
1年間連載を続けると…年収は200万×12ヶ月=2400万円 |
ただし、週刊連載などの雑誌は読者からの人気投票を受け付けている場合が多く、人気が落ちてきた作品は打ち切りを宣告される可能性があり、常にコンテンツの充実性やストーリーの面白さなど注力する必要があります。
漫画家の印税と年収
印税とは書籍化・デジタル化された漫画作品が読者に購入された場合、書籍の価格の何%かが作者に支払われるお金のことです。
一般的に印税は8%~10%ほどと言われています。
例えば5%に印税が設定されている場合、500円の漫画が売れたら漫画家に入ってくる金額は25円ということです。
印税は描いた作品が売れれば売れただけ漫画家の収入になってくれます。
例えば500円の漫画が年間100万部売れた場合、印税が5%だとすると、印税だけで年収2500万円になります。
売れっ子漫画家が「億を稼ぐ」と言われているのはこうして作品がたくさん売れて、その分の印税が多く入ってくるからなんですね。あぁ〜夢が膨らみますね。夢の印税生活(妄想中)♫
印税は、読者が漫画を購入したら即座に支払われるわけではありません。1年間の終わりに出版社が印税はどれほどかを計算して、漫画家に振り込まれるシステムになっているのです。
印税の額によって、その作品が売れているかを推し量ることができますね。
漫画家の収入は印税だけじゃない!
グッズの収入も、漫画家の年収を左右する収入の1つです。
作品が売れるとキャラクターのグッズ化、アニメ化、ドラマCDを作る企画などが持ち上がります。この時に出る利益も、そのうちの何%かは漫画家にロイヤリティ(著作使用権)として支払われることになっています。
- アニメが1話分放送されると漫画家には10~15万円分入ってくる
- ゲーム化されて1本売れると売り上げの3%支払われる
売れっ子漫画家になると、漫画が売れることで得られる印税や著作使用権などでその年収は「億単位」になると言われています。
鳥山明の印税(著作使用権)はどうなる?
執筆した本(漫画)、作詞作曲を手掛けた音楽、写真や絵画などの「著作物」には、創作された時点で「著作権」が発生しています。創作した方は「著作権者」となり、出版社などから著作権使用料として印税を受け取っています。
漫画家(著作権者)が亡くなられてしまうと、この印税は誰が引き継げて、著作権はどのようになるのか、気になるところです。
著作権は相続財産として引き継ぐことができます。
鳥山明さんには奥様、お子さんが3人いらっしゃいますので、ご家族が引き継がれるものと見られます。
鳥山明さんが漫画を創作した時点より、または、鳥山明さんが亡くなられた後70年間までが著作物等の保護期間となります。
2018年12月30日の著作権法の改正により、これまでの50年間から70年間へと期間が延長されました。
70年を経過すると パブリックドメインになります。
最近の例だと、アメリカで公開から95年が過ぎ著作権の保護期間が切れ、この作品に登場する初代のミッキーマウスなどのキャラクターが2024年1月1日から誰でも自由に利用できる「パブリックドメイン」となりました。
著作物の保護期間が設けられているのは、著作権を永久に保護する事は文化の発展を 阻害するということで、一定期間で打ち切るべきだという考え方があるからです。
ちなみに著作権の保護期間は国によって異なります。
まとめ
世界的な大ヒット作を世に送り出し、漫画界に数々の伝説を残してきた鳥山明さん。
その資産総額は少なく見ても200億円はあると思われます。この数字を見るだけでもどれだけ売れているか=どれだけ人気があるかということが一目瞭然ですね。
鳥山明さんの著作権は相続財産としてご遺族が引き継ぐと見られます。
志半ばで逝ってしまった鳥山明さんですが、その意志を継承する出版社、制作スタッフによって2024年には『ドラゴンボールDAIMA』放送予定です。
改めて、鳥山明さんのご冥福をお祈りします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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