11月21日、指原莉乃さんが31歳の誕生日を迎えたことをXで投稿。
「今のところ結婚願望はないが、“卵子凍結済みで生活してます”」と投稿したことで、「卵子凍結」がトレンド入りしました。
指原莉乃さんの卵子凍結の報告に対し、X上ではた称賛の声があがる一方、批判的意見も見られました。
そこで今回は一体「卵子凍結」とは何なのか?また卵子凍結のメリットやデメリットについて調べてみました。
女性だけでなく、ぜひ男性の方にも最後までお読みいただければ嬉しいです。
指原莉乃 31歳誕生日に“卵子凍結”済を報告
31歳になりました🎂
— 指原 莉乃 (@345__chan) November 20, 2023
今年も今のところ結婚願望なし、卵子凍結済みで生活してます💁🏻♀️
歳を重ねることは、何とも思わないような少し嫌なような、なのですが、それ以上にやりたいことや趣味の選択肢が増えて、今とても幸せです☺️大人、楽しんでます!
おめでとうLINEは奈子が1番のりでした👶🏻 pic.twitter.com/XeeMgD06Ge
11月21日、31歳の誕生日に「今のところ結婚願望はないが、“卵子凍結済みで生活してます”」と投稿した指原莉乃さん。
現在、結婚願望無いとのことなので、将来に備えての卵子凍結でしょう。
施術は問題なく完了したと見られるのであとは将来、どのような選択をするのかに注目です。
「卵子凍結」はたちまちトレンド入りします。指原莉乃さんのような影響力のある有名人が発することで、卵子凍結について世間の注目が集められています。
卵子凍結という言葉を耳にすることはあったり、関心があっても、詳しい知識は分からないという人が多いのが現状です。
また卵子の老化を知らないまま40歳を過ぎ「どうしよう…」と駆け込んで来る女性も多いようです。
若い時から知識として備えられるよう、教育の機会や啓蒙などを通じて周知することが重要です。
卵子凍結って何?
それでは、卵子凍結とは何か詳しく見ていきましょう。
「卵子の老化」について認識不足である
現状、多くの女性は卵子の老化について十分認識しているとは限りません。
多様な生き方、働き方を選択できるようになったことは晩婚化の一因でもあります。
結婚をしていざ子供を持つことを考え始めてから、子どもを授かることがどれほど奇跡的なことか認識するカップルが多いようです。
卵子凍結について
卵子凍結には『医学的な適応』と『社会的な適応』があります。
癌患者などに対して行われていたのが『医学的な適応』による卵子凍結です。
癌治療の内容によっては卵巣の性腺機能不全を起こしたり、子宮や卵巣など生殖臓器を喪失したりするため、将来、子どもを持つことが困難になる場合があります。
その為、癌の治療が完了し、妊娠を希望する時期まで、卵子(未受精卵子)や胚(受精卵)を凍結保存しておくことにより、妊孕性を温存することができます。
妊孕性(にんようせい)=妊娠するための力のことです!
一方、「社会的な適応による卵子凍結」とは、仕事や介護などで今すぐの妊娠を望まない女性を対象に、将来の妊娠、出産のために卵子を凍結保存することを意味します。
2013年1月にアメリカの不妊学会誌で卵子凍結のガイドラインが発表されたことがきっかけで、世界中で普及しつつあります。
- 未婚でパートナーはいるものの、妊娠・出産の予定が立っていない
- 結婚しているが、妊娠・出産に対してパートナーが協力的でない
- 卵巣の中に卵子の数を検査をしたところ、想像した以上に数値が低かった
健康な女性が卵子凍結をできるようになったのは約10年前からで、近年増加しています。
社会的理由で卵子凍結から出産した国内最初の例は、2016年に報告されています。
女性それぞれに事情があり、将来の妊娠、出産のために自分の卵子を残すという選択をしている人がいるのですね。
その後、晩婚化やキャリアアップを望む女性の増加といった時代背景から、今は子供はいらないが将来のために卵子を採っておきたいという社会的理由による卵子凍結も認められるようになりました。
卵子は30代後半から急速に老化しますが、凍結した時点である程度食い止めることができます。
体は年をとっても、凍結した卵子の能力は維持できるのです。
Q)卵子の凍結保存とは
妊娠・出産の確率を高めるためには、できるだけ若いほうが良いと考えます。日本生殖医学会の指針では、健康な女性の場合、採卵は36歳未満が望ましいとされています。
卵子凍結の施術内容・金額について
施術としては、あらかじめ卵子が育つように採卵準備のための投薬を行います。
採卵の際は、静脈麻酔をし、一度に数個から10個程度の卵子を卵巣から採取します。
採取した卵子の大きさは、約0.1ミリ。
液体窒素のタンクに入れて、凍結保存します。妊娠・出産を希望する際には、この卵子を融解し、顕微授精したうえで、受精卵を子宮に移植します。
費用は、施術する医療機関などによって異なり、薬の量や採卵回数、保存期間によって数十万~100万円以上と幅があります。
《あるクリニックの一例》 卵子10個の場合 ・排卵誘発~卵子凍結まで 約36万円(税抜) ・1年凍結保存する場合 約9万円(税抜) ・2年凍結保存する場合 約16.5万円(税抜)
凍結卵の年間保管料は、健康保険の適用がない場合、凍結卵1個あたり年間2万円〜5万円もかかり、多くの女性は個数を絞って保管しているのが実情のようです。
これから卵子凍結を考える女性たちに、まずは自分の体の状態を知ることから始めることが大前提です。
さらに、卵子凍結を考えるときは、実施数が多く、凍結卵子を使った移植まで一貫して対応しているところが望ましいようです。
凍結しておしまいではないので、その卵子を使って妊娠、出産することまで見越しておく必要があります。
医療機関選びはとても大事ですね。
日本産科婦人科学会に登録している卵子凍結の実施施設は年々増え、2023年11月時点で全国で195施設あります。
卵子凍結のメリットは?
①子供が欲しくても急がなくていい
出産のタイミングをコントロールしやすくなるため、ちょうど仕事が忙しいときに妥協したり、キャリアを諦める必要がなくなる。
②若い時の卵子を保存できる
将来、妊娠、出産できる可能性を持てる。
卵子凍結のデメリットとは?
①金銭的負担(保険がきかない)
採卵・凍結、保管、体外受精のそれぞれの段階で費用がかかり、また卵子の個数でも変化するが、凍結から妊娠まで約100万円を超える。
②体への負担が大きい
投薬や針を刺しての卵子採取。 卵子凍結では排卵誘発剤を使うため、卵巣過剰刺激症候群になりやすくなる。
③100%子供を持てる保証はない
海外の研究報告では、最終的に生児を得られたのは約4人に1人。 採卵時点での年齢は36歳未満が望ましいとされている。
④まだ新しい技術のため実証例、影響、リスクなど不確定要素が多い
高額な費用やリスクを負っても100%の確率で出産につながる保証はなく、何か起きても自己責任とされかねません。
医療機関は正しい知識を十分に患者へ伝える必要がありますし、女性やそのパートナーもしっかり検討する必要があります。
卵子凍結は1つの選択肢ではあっても、安易に「卵子凍結すれば大丈夫」「後からすぐに出産できる」「産み時が選べる」と過度に期待するのは危険です。
何事もメリットとデメリットがあるので、その両面から考える必要がありますね。
卵子凍結への関心度の高さ
将来的に子どもを産み育てたいと望んでいるものの、さまざまな事情ですぐに妊娠、出産するのは難しいという女性は少なくありません。
東京都は少子化対策の一環として、こうした女性たちを対象に「卵子凍結」にかかる費用の助成制度をスタートさせました。
少子化対策の一環で東京都が始めた卵子の凍結保存費用の助成制度について、助成の条件となるオンライン説明会への参加申し込みが5000人を超えたことが判明しました。
東京都は“反響が大きい”として、年明け以降も説明会を開催する予定です。
助成制度の内容は以下の通りです。
- 都内在住の健康な18~39歳(採卵を実施した日の年齢)の女性が対象。
- 採卵準備のための投薬・採卵・卵子凍結の施術を行った場合に、助成額は、卵子凍結を実施した年度で上限20万円。次の年度以降、卵子の保管にかかる費用として、1年ごとに一律2万円(最大5年間)合計30万円まで助成金が受けられる。
- 東京都が開催する説明会への参加や調査への継続的な協力
説明会は9月29日の初開催以降、11月16日までに計33回開かれ、計約2800人が参加しました。
うち909人が助成事業に申し込んでいるそうです。
都が今年度想定していた助成人数は300人程度で、すでに大きく上回っていますが、東京都は「女性の希望に確実に応えられるように対応したい」として、申込者全員に助成する意向です。
精子凍結とは?
男性の精子は高齢になっても妊娠能力がありますが、女性の卵子はそうはいきません。
排卵とともに、卵子の分裂が始まるのですが、加齢とともに卵子の染色体異常が確率的に起きやすくなることが分かっています。
生物学的な性差は厳然とあります。
晩婚化、少子化が進む今、いつか妊娠、出産をしたいと考える女性にとっては、若いときの卵子を取っておくことが、人生の選択肢の一つなのです。
では、精子凍結もあるのでしょうか。
精子凍結について
精子凍結とは精子をマイナス196度で凍結し保存することで、半永久的に凍結保存することが可能です。
医学的な適応
精巣腫瘍、悪性リンパ腫、白血病などで抗がん化学療法を受けられた場合に将来において精子の形成が阻害され精子減少症や無精子症になる場合があります。
抗がん化学療法により影響を受けた睾丸が再び自然妊娠可能な数の精子を作り出すことはほとんどありません。
このような事態を防ぐために抗ガン化学療法開始前、もしくは開始直後に精子を凍結保存しておくことができます。
既婚男性の精子凍結
不妊治療において、人工授精や体外受精当日に精子を用意できない場合でも、あらかじめ精子を凍結保存しておけば、それを使用することができます。
また、精子所見が不良な場合でも、凍結精子を複数本使用することで、人工授精が可能になる場合があります。
未婚男性の精子凍結
仕事の職種により将来の精子形成障害のリスクがある場合や、それ以外の希望により精子を凍結することができます。
卵子は年齢による影響を強くうけるため凍結保存が有効 ですが、精子はそれほ大きな影響は受けないと見られています。
まとめ
身近になってきた卵子凍結。
女性の社会進出が当たり前になり、生き方や働き方が多様化したことで、かえって選択に迷い、葛藤する女性も出てきたのではないでしょうか。
女性が自分の人生設計を見据えた時に、卵子凍結を選ぶという1つの選択肢として当たり前になる日もそう遠くはない未来かもしれません。
ただし、女性が結婚、出産に前向きになるには、産みやすい、子育てしながら働きやすい社会や制度を整える必要性が先決です。
「卵子凍結」について、まずは正しく理解してから選択肢に加えたいものです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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